C.核戦争防止国際医師会議と放射線防護協会の提言

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  1. 西側諸国政府とIAEA(国際原子力機関)は、チェルノブイリ地域の事故の結果についてのデ-タを収集中である。彼らは健康に対する放射線の影響を知るために病人を利用している。しかし、想像を超えた大惨事の犠牲者に医学援助をほとんど行なっていない。医師の立場からこれは容認できない。

    ゆえに私たちは、ドイツ連邦政府および他のヨ-ロッパ諸国、国連が効果的に、そして、長期的にチェルノブイリ地域で放射線被害に苦しんでいる人々を助けるよう要求する。

  2. チェルノブイリ大惨事の経過と、その後の長期的健康被害に関する基本的デ-タが公にされていない。それは、東側諸国でも西側諸国でも同じである。このことは、チェルノブイリ事故の影響を公平かつ科学的に分析することをとても難しくしている。IAEAなどの国連の核専門諸機関(訳注:核開発を推進する機関)は -科学的に問題のある手法を用いて - チェルノブイリのデ-タを不適切に利用し、大惨事の影響を少しでも小さく見せようとしている。科学的な見地から、これは受け入れられない。

    したがって私たちは、ドイツ連邦政府および他のヨ-ロッパ諸国、そして国連に対し、科学者や諸団体、関心のある市民がチェルノブイリ大惨事に関するデ-タを自由に入手できるよう要求する。
    さらに、ドイツ連邦政府、他のヨ-ロッパ諸国と国連は、広島原爆の研究にならい、チェルノブイリ事故の健康被害の進展に関して広範囲な疫学的比較調査を継続するよう要求する。その際、チェルノブイリ事故で胎内被ばくをした集団はもちろんのこと、0~9歳の小児期および10~19歳の思春期で被ばくした集団へは特別な注意を払わなければならない。


  3. チェルノブイリ大惨事、ハリスバ-グの米国原子力発電所のメルトダウン(訳注:スリ-マイル島原発事故のこと)、さらに最近の福島での苛酷事故、そして世界各地で起きている事故寸前の多数のトラブルを見てみれば、重大な核事故はいつでもどんな場所でも起きうることを示している。核エネルギ-に依存する多くの国々は人口密度がとても高い。たとえば、日本の人口密度はチェルノブイリ地域の15倍である。福島の実際の健康被害は、事故がどのように進展するかにかかっている。今から数年あるいは数十年たってみないと、これらの健康被害の全貌がはっきり見えてこない。もし、ドイツのビブリス原子力発電所で想定外惨事が起きれば、ライン-マイン地方の高い人口密度から考えて、チェルノブイリ大惨事よりも10倍の健康・経済被害がもたらされるであろう。これは、核エネルギ-の使用が、いかに無責任なものであるかを示している。

    ゆえに、私たちは、ドイツ連邦政府と他のヨ-ロッパ諸国政府が可能な限りもっとも速い手段で、すべての原子力発電所をただちに閉鎖するよう要求する。
    さらに、IAEAの主要な目的は、彼らの定款によれば、核エネルギ-の利用促進にある。しかし、福島で起きたばかりの苛酷事故のことを考えれば、定款にある“目的”を真剣に考え直す時である。
    WHOは、放射線の健康影響に関して1959にIAEAと結んだ協定(下記ご参照)をただちに取り消すべきである。人々の健康こそがWHOの主目的だろう。
    参照:WHOとIAEAは、互いの合意なしで核の健康被害について発表してはいけないという協定(世界保健総会決議WHA12-40号)

ガリレオ・ガリレイ

「真実を知らない人は、単にアホと呼ばれる・・・
真実を知りながらウソだという人は、罪人である。」
ブレヒト著「ガリレオ・ガリレイ」より

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